米国債券ETFで有名なAGGとLQDはどちらに投資すればいいのか解説していきます。安定した株価でありながら、ある程度の配当金も得られるAGGとLQDですが、その構成内容は少し違います。AGGとLQDの特徴とともに、どのような人に向いているか説明します。
AGGとLQDの比較
AGGとLQDの概要は、以下のようになっています。
ティッカー | AGG | LQD |
---|---|---|
運用会社 | ブラックロック | ブラックロック |
設定日 | 2003年9月22日 | 2002年7月22日 |
時価総額 | 約674億ドル(2021年3月) | 約354億ドル(2021年3月) |
組入銘柄数 | 約7,600銘柄 | 約2,000銘柄 |
分配金利回り | 約2.5%(2016-2020年平均) | 約3.3%(2016-2020年平均) |
経費率 | 0.05% | 0.15% |
どちらも世界で有数の運用会社ブラックロックが運用しています。時価総額は、AGGの方が大きいのです。
組み入れ銘柄は、AGGの方が大きいですが、LQDも十分分散できています。分配金利回りは、LQDが大きくなっています。
経費率は、AGGがとても低いですが、LQDも十分低いのです。
AGGの特徴
AGGについては、こちらの記事に詳しく記載してあります。
AGGは信用力の高い債券に投資しています。圧倒的に経費率が低いのが特徴で、このAGGだけで米国債券市場全体に投資できるイメージです。
構成しているものは、長期・中期・短期の国債や社債です。
LQDの特徴
LQDについては、こちらの記事に詳しく記載してあります。
LQDは、信用力の高い投資適格社債に投資しています。投資適格社債とは、投資するのに値する社債ということです。
LQDだけで米国債券市場全体に投資できます。構成しているものは、長期・中期・短期の社債です。
AGGとLQDの構成比較
AGGとLQDの格付け別構成は次のようになっています。
格付け | AGG | LQD |
---|---|---|
キャッシュ、デリバティブ等 | 0.67% | 1.8% |
AAA | 74% | 2.6% |
AA | 2.6% | 8.0% |
A | 10% | 41% |
BBB | 12% | 46% |
BB | 0.00% | 0.85% |
AAAが一番信用力のあるものです。AGGは、全体の7割近くがAAAとなっています。
一方で、LQDはBBBが一番多い構成になっています。
これは信用力のある国債が多いAGGと社債に投資しているLQDの違いが出ているでしょう。信用力から見れば、AGGの方が優れているでしょう。
AGGとLQDの分配金
AGGとLQDの分配金推移は、次のようになっています。
年 | AGGの分配金利回り | LQDの分配金利回り |
---|---|---|
2020 | 2.25% | 2.86% |
2019 | 2.85% | 3.73% |
2018 | 2.64% | 3.40% |
2017 | 2.35% | 3.22% |
2016 | 2.39% | 3.43% |
2015 | 2.41% | 3.32% |
2014 | 2.48% | 3.55% |
2013 | 2.23% | 3.62% |
2012 | 2.97% | 4.08% |
2011 | 3.30% | 4.61% |
平均 | 2.59% | 3.58% |
分配金の推移についてはどちらも似た傾向になっているようです。
分配金については、LQDの方が高くなっています。
AGGとLQDのチャート
チャートを比較したものが次のグラフになります。
青線がAGG、赤線がLQDです。
ここ5年でのチャートの推移を見ると、AGGのチャートの方が安定しているのが分かります。
LQDは、株のようにチャートが動いています。
AGGとLQDのトータルリターン
AGGとLQDのトータルリターンは、次のようになっています。
AGGのトータルリターン | LQDのトータルリターン | |
---|---|---|
2020 | 7.42% | 11.14% |
2019 | 8.68% | 17.13% |
2018 | -0.05% | -3.76% |
2017 | 3.53% | 7.16% |
2016 | 2.56% | 5.97% |
2015 | 0.48% | -1.08% |
2014 | 6.04% | 8.57% |
2013 | -2.15% | -2.49% |
2012 | 4.04% | 11.68% |
2011 | 7.58% | 8.89% |
2010 | 6.30% | 9.15% |
トータルリターンとは、キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(分配金)などの合計の利益になります。
トータルリターンの比較した場合、LQDの方がAGGより高いことが分かります。トータルリターンを狙うならLQD、安定を狙うならAGGです。
それぞれの暴落時の比較
AGGとLQD、VOO(S&P500)のコロナショック周辺でのチャートを比較してみましょう。
青線がAGG、赤線がLQD、緑線がVOO(S&P500)です。
2020年3月ころに、株式であるS&P500は一気に下がっているのがわかります。それと連動しているように赤色のLQDも下がっていますが、AGGの下げ幅は限定的なものになっています。
暴落時に強いのは、AGGであることがわかります。
AGGとLQDの比較まとめ
AGGとLQDの比較をまとめると次のようになります。
AGG | LQD | |
---|---|---|
銘柄数 | 約7,600銘柄 | 約2,000銘柄 |
分配金利回り | 約2.5% | 約3.3% |
経費率 | 0.05% | 0.15% |
構成 | AAAが74% | Aが41%、BBBが46% |
チャート | 安定 | 動きある |
トータルリターン(3年) | 5.02% | 7.13% |
暴落時 | 安定 | 株ほどではないが下がる |
AGGは国債が多く信用力が高いもので構成されており、LQDは社債という特徴が出ています。AGGは安定している一方で、LQDはトータルリターンが高いという結果になっています。
それぞれのおすすめする方
AGGは低リスクで、低リターンという特徴があります。そのため、リスクを抑えたいという方にはおすすめです。
一方で、LQDはややリスクがあり、ややリターンが高いという特徴があります。そのため株式よりは低リスクに抑えたいが、十分な配当を得たいという人にはおすすめです。
私の場合、やはりリターンを狙うには株式のVYMなどを利用します。
一方で、不動産投資の準備金(修繕費などの予備費)を運用するのにAGGを利用します。準備金はいざ修繕費が必要になったときに、株価が低くなっていると困るので、LQDよりはAGGの方が向いているのです。
AGGでも分配金は2.5%出るので運用としては十分だと考えています。
※紹介した投資手法は、参考として読んで下さい。投資はリスクがありますので、投資については自己責任でお願い致します。
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