こちらのサイトで自営業・フリーランスの方の老後資金におすすめしているS&P500や楽天VTI(VTSAXを日本から投資)を100%信じるのではなく、リスクについて知っておきましょう。
とにかく評判いいから全資産S&P500や楽天VTIに投資すればいいと考えている方に、リスクもあることを知って欲しく記事にしました。
人気のあるS&P500や楽天VTI
投資の神様と言われているウォーレンバフェットは、奥さんに、
「自分の死後は、資産の90%をS&P500連動のインデックスファンドに投資しなさい。」
とアドバイスしています。
つまり、それだけ優秀な投資先ということになります。S&P500のリターンは、過去30年で年利9.5%という高い数字を残しているのです。
この数字の良さとアメリカの好調から、最近では日本でもS&P500に投資する人が増えています。
しかし、そんなS&P500や楽天VTIにも絶対に儲かると考えている人がいますが、注意が必要です。
S&P500や楽天VTI(VTSAXを日本から投資)のリスク
S&P500や楽天VTIのリスクは、次のようなものがあります。
順に説明していきます。
リターン(値上がり+配当)が毎年プラスとは限らない
S&P500のリターンを見ると、マイナスになる年もあることを知っている必要があります。
S&P500の最近22年間のリターンは、次のようになっています。
年 | 配当手取り | 配当再投資 |
---|---|---|
1998 | 26.67% | 28.58% |
1999 | 19.53% | 21.04% |
2000 | −10.14% | −9.10% |
2001 | −13.04% | −11.89% |
2002 | −23.37% | −22.10% |
2003 | 26.38% | 28.68% |
2004 | 8.99% | 10.88% |
2005 | 3.00% | 4.91% |
2006 | 13.62% | 15.79% |
2007 | 3.53% | 5.49% |
2008 | −38.49% | −37.00% |
2009 | 23.45% | 26.46% |
2010 | 12.78% | 15.06% |
2011 | -0.00% | 2.11% |
2012 | 13.41% | 16.00% |
2013 | 29.60% | 32.39% |
2014 | 11.39% | 13.69% |
2015 | −0.73% | 1.38% |
2016 | 9.54% | 11.96% |
2017 | 19.42% | 21.83% |
2018 | −6.24% | −4.38% |
2019 | 28.88% | 31.49% |
※データ参照元:英語版wikipedia S&P500
このリターンをグラフにしたのが、次のようになります。
画像参照元:https://koutouyuumin.com/2019/01/19/sp500-performance-from-1970-to-2018/
グラフを見れば、ずっとリターンがプラスだった訳ではないことが分かります。マイナスになる年もあるのです。
このようにS&P500に投資していれば、必ず儲けられると思っているのは間違いになります。
しかし、長期投資で考えれば、リターンはプラスになり、過去49年の平均成長率は、配当を含む場合:10.22%と大きなものになっているのが分かります。
このサイトでおすすめしているように、長期投資するのを前提に米国株に投資する必要があるでしょう。
なぜならば、以下のように、過去49年間の間でリターンがプラスになる事の方が、マイナスになることよりも多いからです。
リターンプラスの年 | リターンマイナスの年 | |
---|---|---|
配当使った場合 | 37回 | 12回 |
配当再投資の場合 | 39回 | 10回 |
しかしこれも、過去のデータなので未来プラスになるとも限らないことも理解しておく必要があります。
為替リスクがある
S&P500や楽天VTIというのは、アメリカのファンドなので購入するときにドルで購入していることになります。
楽天VTIなどでは、円で購入できますが、証券会社がドルに替えてくれて購入しているので結局ドル建てのファンドになります。
ということは、100%為替の影響を受けるのです。
例えば1ドル100円の時にS&P500を購入したとして、1ドル90円になったとすると(十分にありえる事です)、S&P500が値動き無かったとしてもそれだけで10%のマイナスになるのです。
逆に1ドル110円になればそれだけで10%のプラスになります。
これが為替のリスクになります。
つまりS&P500や楽天VTIを購入した場合は、為替変動により金額が変わることがあるのです。
米国に集中投資していることになる
S&P500や楽天VTIに投資するということは、アメリカの市場に投資することになります。
つまり1国に投資しているので、国での分散はできていないことになります。
アメリカで戦争が起きたり、アメリカの市場が暴落することになると、ダメージを一挙に受けることになります。
投資の世界では、世界に分散投資するか、アメリカに投資するかという議論がありますが、世界に分散投資した場合と、アメリカに投資した場合の成績というのは、周期を持って入れ替わっています。
世界に投資した方がいい時期もあれば、アメリカに投資した方がいい時期もあるのです。
つまり、常にアメリカ市場に投資しておけば、プラスになるとも限らないのです。
まとめ
投資の神様と言われているウォーレンバフェットは、奥さんに
「自分の死後は、資産の90%をS&P500連動のインデックスファンドに投資しなさい。」
とアドバイスしているくらい、S&P500は優秀なファンドです。
しかし、S&P500や楽天VTIにも次のようなリスクがありました。
リターンについては、長期投資すればある程度回避できる可能性がありますが、将来もアメリカ市場が上昇し続ける可能性は100%ではありません。
これらのリスクを知った上で投資する必要があるでしょう。そのような心持で投資することで、いざ、何か起きた時にパニックになるのを避けられます。
アメリカ市場への投資だけでなく、世界への投資もポートフォリオに入れておくのは懸命でしょう。
しかし、私自身は、今後40年はアメリカに投資してもいいのではないかと考えています。あくまで一つの見方として参考にして下さい。
※紹介した投資手法は、参考として読んで下さい。投資はリスクがありますので、投資については自己責任でお願い致します。
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