自営業・フリーランスの方が老後に資産運用できる米国債券ETFのAGGについて解説していきます。
AGGは、米国の債券全体に投資するイメージのETFになります。
ETFとは上場投資信託のことで、個別銘柄のように証券市場で自分で売買できます。詳しくは以下の記事に書いてあります。
AGG(iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF)とは
AGGとは、世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用している米国債券に分散投資できるファンドです。
債券とはお金を貸してもらうための借用書のことで、その債券を購入して利息を得られます。
その運用総額は6兆円もあるとても大きなファンドになります。
AGGのポートフォリオ(構成銘柄)は、主に政府系の債券で約4割は米国財務省証券、次に組み入れが多いのが住宅抵当証券(26%)となっています。他には格付けの高い民間企業の債券もあります。
AGGの概要は、以下の通りです。
設定日 | 2003年9月22日 |
純資産総額 | USD 84,635,195,675(846億ドル) |
保有銘柄数 | 8,370 |
AGGなど聞いたことが無いという方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカではとても有名なファンドになります。
格付けランク上位のみで構成されているAGG
AGGの構成銘柄は、格付けランクAAAの債券が約70%を閉めているためとても安全です。
債券は、償還日というお金を返す日にしっかりお金が返ってくるかどうかがリスクとなりますが、その債券のリスクlを判断するために、格付けが決められています。
S&P社が格付けしているランクは、AAA→AA→A→BBB→BB→B→CCC→CC→C→Dとなっております。
1990年~2015年の間にAAAで倒産・破産した債券はゼロという実績があります。
つまり安心の債券が集まったETFがAGGとなります。
AGGのチャートは、利息再投資すれば右肩上がり
AGGの利息を再投資した場合のチャートは以下の通りになります。
画像参照元:ブラックロック公式サイト
設定された2003年9月から右肩上がりになっているのが分かります。2003年から2020年12月までに104.25%の増加(ほぼ倍)になっています。
利息が再投資されない場合は、17年間で17%程度の増加になっているので、チャートそのものはそれほど増加しませんが、利息を得られるのが特徴です。
自営業・フリーランスの方の老後資金に最適な理由
債券であるAGGは、株式に比べてリスクが低いため、自営業・フリーランスの方の老後資金におすすめです。チャートを見ても分かるように、値動きが少ないので安定しています。
2008年のリーマンショックやコロナショックの際でさえ5%程度しか下がっていないのです。(リーマンショックの時、株式は50%の下落がありました。)
このように安定している債券のAGGは、自営業・フリーランスの方の老後資金に最適です。
AGGとLQDの比較
別の記事では、米国債券のETFとしてLQDiシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF)も紹介しました。
そこでAGGとLQDの違いについて解説します。
AGGは、主に政府系の債券になります。つまり米国の国債になるのです。投資適格という信頼のある企業の債券も含まれていますが、25%程度です。
一方で、LQDは米国企業の債券を集めたETFです。
この違いにより、AGGとLQDで利回りに差が出てきます。AGGとLQDの利回りは次のようになっています。
AGG | LQD | |
---|---|---|
2010 | 3.83% | 5.07% |
2011 | 3.30% | 4.61% |
2012 | 2.97% | 4.08% |
2013 | 2.23% | 3.62% |
2014 | 2.48% | 3.55% |
2015 | 2.41% | 3.32% |
2016 | 2.39% | 3.43% |
2017 | 2.35% | 3.22% |
2018 | 2.64% | 3.40% |
2019 | 2.85% | 3.73% |
平均 | 2.75% | 3.80% |
データ参照元:https://haitoukabu.com/letsetfus/syasai.html
チャートに関してLQDはリーマンショックの時、価格を20%下げており、コロナショックのときも約20%下げています。一方で、AGGはリーマンショック時もっとも下がっても一瞬10%程度、コロナショックの時は、一瞬5%程度の下落に収まっています。
安定しているのはAGG、分配金が高いのはLQDという特徴があり、どちらを選ぶかは個人の基準になってくると思います。
経費率は、LQDが0.15%(100万円運用して年間1500円)で、AGGが0.05%(100万円運用して年間500円)となっています。
悪徳の投資信託では毎年1%と信託報酬を取ることころもありますが、LQDもAGGもはるかに低いコストで運用できます。
AGGの値動きの仕組み
債券であるAGGの値動きは、金利とともに変動します。金利が上昇すると債券の価格は下がり、金利が下落すると債券AGGの価格は上昇します。
具体的には金利が1%上昇するとAGGの価格はおおよそ5.6%下がり、金利が1%下がるとAGGの価格はおおよそ5.6%上昇するのです。
つまり、金利は短期間に急に変わることが無いため、AGGの価格変動は少ないということになるのです。
AGGのメリットとデメリット
AGGのメリット
AGGは8,370もの債券で構成されていて、そのうちの70%がAAAの債券なので投資資金が返って来ないリスクを抑えられています。
AGGのデメリット
債券というのは金利が下がっている状態では値上がりしますが、景気回復して好景気になると金利が上昇して、債券が値下がりする可能性があります。
さらには、米国の債券なので為替変動の影響を受け資産が減る可能性もあるのです。
1ドル100円だったものが、1ドル90円に円高になるとその分保有しているAGGはドル建てなので価値が下がることになります。
逆に円安の場合には、有利になります。
つまり為替リスクを考えた場合、全ての資産をAGGに投資するのは避けた方がいいでしょう。
まとめ
AGGとは、世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用している米国債券に分散投資できるファンドでした。
AGGのポートフォリオ(構成銘柄)の約4割は、米国財務省証券で、次に組み入れが多いのが住宅抵当証券(26%)となっています。AGGの構成銘柄は、格付けランクAAAの債券が約70%を閉めているためとても安全です。
AGGのチャートは、設定された2003年9月から右肩上がりになっているのが分かります。
債券であるAGGは、株式に比べてリスクが低いため、自営業・フリーランスの方の老後資金におすすめです。
AGGは主に政府系の債券で、LQDは米国企業の債券を集めたETFです。安定しているのはAGG、分配金が高いのはLQDという特徴があり、どちらを選ぶかは個人の基準になってくると思います。
債券であるAGGの値動きは、金利とともに変動します。金利が上昇すると債券の価格は下がり、金利が下落すると債券AGGの価格は上昇します。
AGGのメリットは、なんといっても安定した債券に分散投資できるという点です。AGGのデメリットは、金利上昇リスクと為替変動リスクがあることです。
自営業・フリーランスの方の年齢が上がってきたら、AGGで手堅い資産運用して、老後資金に備えましょう。
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