自営業・フリーランスの方には、厚生年金がないためその代わりとして作られたのが国民年金基金です。その詳細について解説します。80歳以上長生きする自信のある方は、終身年金をもらえるのでおすすめです。
国民年金基金制度とは?
国民年金基金制度は、自営業やフリーランスの方が国民年金(老齢基礎年金)とセットで老後資金を作るためのものです。
つまり、老齢基礎年金に上乗せする公的な年金制度になります。
自営業やフリーランスの方は、基礎年金だけなので、会社員のように厚生年金が入ってこないことは別の記事で書きました。
自営業・フリーランスの方の老後資金は、2000万円不足ではなく、4400万円以上の不足なのです。
この自営業・フリーランスの方の老後資金不足を解消するための上乗せ年金について、平成3年5月に厚生年金に相当する国民年金基金制度が誕生しました。
国民年金基金制度を利用すれば、自営業・フリーランスの方も豊かな老後を過ごせます。
毎月高級レストランに行く習慣ができたり、趣味の海づりのための船を購入できるかもしれません。
伸びる平均寿命
つまり老後60歳から男性で21年、女性で27年も余命があることになります。その期間に豊かな老後を過ごすために、国民年金基金制度はあります。
もちろん若い頃の時間も大切なので、若い頃に体験できることにお金を使っていきながら、余剰資金を国民年金基金制度にあてるのはいいのではないでしょうか。
国民年金基金制度があれば、月65,000円しかもらえない年金を少しでも増やせます。月65,000円では、たとえ住居があったとしても、最低限の食事して、光熱費を払ったら終わってしまいます。
場合によっては赤字になってしまうかもしれません。
そうならないためにも、国民年金基金制度やiDeCoなどを使って老後資金の準備する必要はあるでしょう。
国民年金基金のメリット
国民年金基金のメリットは、掛金の全額が所得控除の対象になることです。そのため、掛金の分だけ所得税や住民税が軽減されます。
一般の個人年金が最大で年間4万円までしか所得控除されないのと比べると、大きなメリットになります。
例えば、課税所得が約400万で、国民年金基金の掛金を年間30万払っている場合、所得税・住民税の合計が9万円軽減されます。実質21万円で30万の年金を積み立てられるのです。
その他の国民年基金のメリットは、少額から自由な額で始められ、加入後もその時の状況に応じて月々の掛金を変更できます。
自営業・フリーランスの方の老後資金のために
国民年金基金は、自営業・フリーランスの方の老後資金を作るのにいいでしょう。しかし、iDeCoの運用のように資産が増えることがないので、資産を増やしたい人は、iDeCoによる運用するといいのです。
ちなみに、自営業・フリーランスの方はiDeCoと国民年金基金合わせて月額68000円までしか掛金をかけられないので注意が必要です。収入に余裕がありさらに老後資金を貯めることが出来る人は、同時に小規模企業共済を活用していくのもいいでしょう。
さらに余裕のある人は、このサイトでおすすめしている米国ETF(VYMやSPYD、QQQなど)の購入して資産運用するといいのです。
国民年金基金の加入プラン
国民年金基金は口数ごとに掛金が決まっており、1口目と2口目以降でプランがあります。
1口目は、以下のプランがあります。
- A型 65歳支給開始(15年間保証付き)終身年金
- B型 65歳支給開始(保証期間なし)終身年金
2口目以降は、以下のプランがあります。
- A型 65歳支給開始(15年間保証付き)終身年金
- B型 65歳支給開始(保証期間なし)終身年金
- Ⅰ型 65歳~80歳支給(15年間保証付き)確定年金
- Ⅱ型 65歳~75歳支給(10年間保証付き)確定年金
- Ⅲ型60歳~70歳支給(10年間保証付き)確定年金
- Ⅳ型60歳~70歳支給(10年間保証付き)確定年金
- Ⅴ型60歳~65歳支給(5年間保証付き)確定年金
掛金の額
口数ごと、加入時の年齢ごとに掛金が決まってきます。
例えば40歳1ヶ月~41歳0ヶ月に加入した場合、次のような掛金になっています。
【1口目】
年金月額基本額 | A型(終身年金) | B型(終身年金) |
15,000円 | 13,335円 | 4,445円 |
【2口目】
年金月額基本額 | A型(終身年金) | Ⅰ型 | Ⅱ型 | Ⅲ型 | Ⅳ型 | Ⅴ型 |
5,000円 | 4,445円 | 3,130円 | 2,165円 | 3,375円 | 2,330円 | 1,210円 |
その他の年齢の掛金などは、国民年金基金公式ページを参照ください。
国民年金基金シミュレーション
具体的に掛金がどれくらいでどれくらいの年金になるかシミュレーションを紹介していきます。
掛金合計額 | 月額19,560円 |
65歳以降の年金額 | 年間245,632円 |
掛金払込期間 | 16年4か月 |
課税所得金額が400万円の場合、所得税と住民税の合計が年間で71,401円(概算)軽減されます。つまり、実質年間掛金は163,319円(概算)となるのです。
実質合計掛金は、2,662,100円になります。
ということは、65歳から年金を受給して、10.8年で元が取れることになります。つまり、76歳以上生きられればプラスになるということです。
ご自身の条件でシミュレーションしたい方は、国民年金基金公式ページシミュレーションより行って下さい。
加入資格
国民年金基金の加入資格は、次のようになっています。
つまり自営業やフリーランスが入れるということになります。
ただし自営業やフリーランスであっても、以下の方は加入できません。
保険料を免除されていても、障害基礎年金を受給している方などの法定免除の方で国民年金保険料の納付申し出した期間は加入できます。
障害基礎年金を受給している人が国民年金基金に加入したい場合は、国民年金保険料免除期間納付申出書を年金事務所に提出する必要があります。
まとめ
国民年金基金制度は、自営業やフリーランスの方が国民年金(老齢基礎年金)とセットで老後資金を作るためのものでした。
日本人の平均寿命は世界トップレベルとなっており、男性で81.41歳、女性で87.45歳(2019年時点)で前年よりも寿命は延びています。
その期間に豊かな老後を過ごせるために、国民年金基金制度はあります。
国民年金基金のメリットは、掛金の全額が所得控除の対象になることです。そのため、掛金の分だけ所得税や住民税が軽減されます。
国民年金基金は口数ごとに掛金が決まっており、1口目と2口目以降でプランがあります。
国民年金基金の加入資格は、20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者および60歳以上65歳未満です。
80歳以上長生きする自信のある方は、投資以外にも国民年金基金に入るのはおすすめです。終身年金というのは、iDeCoには無い保証なので安心です。
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